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前橋地方裁判所 昭和51年(わ)106号 判決 1976年10月07日

本店所在地

群馬県高崎市江木町三〇番地の一

中央自動車倉庫株式会社

(代表者代表取締役新井平五郎)

本籍

同県同市弓町一〇五番地

住居

同県同市江木町三〇番地の一

会社役員

新井平五郎

大正七年七月三〇日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官金谷幸雄出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

1. 被告人中央自動車倉庫株式会社を罰金一、〇〇〇万円に、

被告人新井平五郎を懲役八月に

それぞれ処する。

2. 被告人新井平五郎に対し、本裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人中央自動車倉庫株式会社(代表者代表取締役新井平五郎)は、群馬県高崎市江木町三〇番地の一に本店を置き貨物自動車運送及び倉庫業を営むもの、被告人新井平五郎は、被告人会社の代表取締役であつて同会社の業務全般を統轄しているものであるが、被告人新井平五郎は被告人中央自動車倉庫株式会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、決算書の作成にあたり、決算担当の従業員を指揮して、収入金額を除外するとともに架空の経費を計上するなどの不正の手段により、その所得の一部を秘匿したうえ

第一、昭和四七年四月一日から同四八年三月三一日までの被告人会社の事業年度において、被告人会社の所得金額が五四、五〇四、六〇〇円で、これに対する法人税額は一八、五三七、四〇〇円であるのに、昭和四八年五月二九日高崎市高松町三三番地高崎税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一七、六〇〇、三四五円で、これに対する法人税額は五、〇一六、三〇〇円である旨虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により被告人会社の右事業年度の正規の法人税額一八、五三七、四〇〇円との差額一三、五二一、一〇〇円の法人税を免れ(別紙1、4)

第二、昭和四八年四月一日から同四九年三月三一日までの被告人会社の事業年度において、被告人会社の所得金額が一一一、四六六、四〇二円で、これに対する法人税額は三八、九四〇、一〇〇円であるのに、昭和四九年五月三一日前記高崎税務署において、同税務署長に対し、所得金額が二五、八三五、六〇六円で、これに対する法人税額は七、五一三、一〇〇円である旨虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により被告人会社の右事業年度の正規法人税額三八、九四〇、一〇〇円との差額三一、四二七、〇〇〇円の法人税を免れ

(別紙2、4)

第三、昭和四九年四月一日から同五〇年三月三一日までの被告人会社の事業年度において、被告人会社の所得金額が八三、五八八、八二八円、これに対する法人税額は三〇、四一三、七〇〇円であるのに、昭和五〇年五月三〇日前記高崎税務署において、同税務署長に対し、所得金額が二八、二〇〇、四〇二円で、これに対する法人税額は八、三六四、三〇〇円である旨虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により被告人会社の右事業年度の正規の法人税額三〇、四一三、七〇〇円との差額二二、〇四九、四〇〇円の法人税を免れ

(別紙3、4)

たものである。

(証拠の標目)

判示事実は次の各証拠(括弧内の漢数字は別紙番号、算用数字は同表勘定科目の付記番号を示す)により、これを認める。

一、被告人の当公判廷における供述及び検察官に対する供述調書三通(全般)

一、被告人に対する大蔵事務官の質問てん末書六通(全般)

一、被告人作成の次の各答申書

1  昭和五一年三月二日付(簿外旅費交通費の支払について-一の<11>、二の<7>、三の<7>)

2  同日付(簿外事故弁償費の支払について-一の<10>)

3  同月三日付(簿外接待交際費及び雑費の支払について-一の<2><10>、二の<2><6><10>、三の<2><6>)

4  同月一一日付(簿外燃料費及び交通反則金の支払について-一の<4>、<12>、二の<3>、<9>、三の<3><10>)

5  同日付(簿外福利厚生費の支払について-二の<5>、三の<5>)

6  同月一二日付(簿外雑収入について-一の<13>、二の<15>、三の<12>、<13>)

7  同日付(固定資産売却損益について-二の<12>、<17>、<18>、三の<14><15><16><19>)

8  同日付(売上げ除外について-三の<12>)

一、新井政子(三通-全般)、松村利雄(二通-一の<14>、二の<8>、三の<1>)、大木工(一の<11><15>、二の<7>、三の<7>)福山良賢(一、二)尾崎行雄(一、二)、石賀隆(一)の検察官に対する各供述調書

一、次の者の作成にかかる各答申書

小山清一(三の<1>)、渋谷孝(三の<8>)武藤完一(三の<4>)、古矢昭(二の<15>、三の<13>)、阿部三二一(一の<8>)、早野昭男(二の<15>、三の<12>、<13>)、小島武志(三の<12>)、入江茂夫(二の<12>、三の<15>)、塚原忠雄(二の<12>、三の<15>)、大竹優光(三の<1>)、根岸広(三の<1>)、中沢晧(二通-三の<12>)、石川勝己(一の<14>)、鈴木民三(二の<1>)

一、倉田省治(三の<12>)、永井幸男(二の<11>)作成の各供述書

一、大蔵事務官須田秀彦ほか三名作成の横浜銀行高崎支店調査関係書類(三の<11>)

一、同金子一男ほか三名作成の高崎信金東支店調査関係書類(二の<1>、三の<1>)

一、同丸山啓司ほか二名作成の大生相互銀行高崎支店調査関係書類(一の<15>)

一、同吉田満朗ほか三名作成の埼玉銀行高崎支店調査関係書類(三の<1>)

一、高崎税務署長三沢康秀作成の証明書(全般)

一、高崎税務署長作成の「中央自動車倉庫株式会社に係る青色取消関係書類の提出について」と題する書面(全般)

一、大蔵事務官大村徹男作成の次の書面

1  売上高調査書(一の<1>、二の<1>、三の<1>)

2  燃料費調査書(一の<3>)

3  修繕費調査書(一の<5>、二の<4>)

4  代車運賃調査書(一の<7>)

5  雑費調査書(一の<13>)

6  事故弁償金調査書(一の<18>)

7  雑収入調査書(一の<15>、二の<16>)

8  支払利息及び割引料調査書(一の<16>、<17>)

9  固定資産売却益調査書(二の<12>、三の<14>、<16>)

10  固定資産売却損調査書(二の<17>、三の<14>、<16>)

11  固定資産除却損調査書(二の<18>、三の<19>)

12  未収金調査書(一の<1><2>、二の<1><2>、三の<1><2>)

13  支払手形調査書(一の<19>)

一、児玉夫作成の「法人事業税(地方税)の認定損について」と題する書面(一の<20>、二の<14>、三の<18>)

一、大蔵事務官大村徹男作成の告発書(全般)

一、押収してある次の証拠物(押は当庁昭和五一年押第四三号のうちの符号を示す)

1  決算関係裏メモ帳(押1-一の<17>、三の<1>)

2  検討諸表(押2-二の<13>、三の<17>)

3  決算関係書類(押3-一の<3><5><6>、二の<4>)

4  よろず記入帳(押4-三の<1>、<12>)

5  昭和四六年度総勘定元帳(押5-一の<8><9>)

6  昭和四七年度総勘定元帳(押6-一の<1><2><3><5><6><7><8><9><11><13><16><17><18><19>、二の<4>)

7  昭和四八年度総勘定元帳(押7-二の<1>、<2><7><8>、二の<13>、三の<17>)

8  昭和四九年度総勘定元帳(押8-三の<1><2><7><9>)

9  手形受払帳(押9-一の<3>)

10  銀行関係帳簿(押10-一の<16><17>)

11  昭和四七年度売上帳三冊(押11-一の<1><2>、二の<2>)

12  昭和四七年度売上帳一冊(押12-二の<2>)

13  昭和四八年度売上帳二通(押13-二の<1>、三の<2>)

14  昭和四八年度売上帳一冊(押14-二の<1>、三の<2>)

15  昭和四九年度売上帳 (押15-二の<2>、三の<2>)

16  昭和四七年度代車運賃台帳(押16-一の<8><15>、二の<16>)

17  昭和四八年度代車運賃台帳(押17-二の<15>、三の<13>)

18  昭和四九年度代車運賃台帳(押18-三の<12>)

19  昭和四七年度運収帳一二冊(押19-一の<11>)

20  昭和四八年度運収帳一二冊(押20-二の<7>)

21  昭和四九年度運収帳一二冊(押21-三の<7>)

22  昭和四八年度振替伝票綴一二冊(押22-二の<1>)

23  リース関係綴(押23-二の<13>、三の<17>)

24  支払通知書等綴(押24-二の<1>)

25  各月請求控(押25-一の<2>、二の<1>、三の<1><2>)

26  昭和四六、四七年度売上帳(押26-一の<2>)

27  決算書類綴(押27-二の<8>、三の<9>)

28  請求書綴(押28-三の<8>)

(法令の適用)

1  被告人会社につき

法人税法第一五九条、第一六四条。刑法第四五条前段、第四八条第二項

2  被告人につき

法人税法第一五九条(各懲役刑選択)。刑法第四五条前段、第四七条本文、第一〇条(第二の罪の刑に加重)。同法第二五条第一項

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 尾崎俊信)

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